わたしが母になった時の話

カテゴリー │出産の時の話

今日は娘の3歳の誕生日です!
もう3歳か~!

産まれたての頃は
この子が固形物を食べるなんて
相当先のことだと思ってたし
歩くようになるなんて想像もつきませんでした。

こどもの成長ってあっという間ですね。
一週間でも急に言葉が増えたり
出来なかったことができるようになったりと
変化があるのでびっくりします。

そんな娘が産まれた頃に書いた
出産レポートを発見したので
載せてみようと思います。

長文です。

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娘が生まれて早2ヶ月半。
ようやく出産レポを書いてみようと思う。

出産予定日:9/21
妊娠期間:38w6d
陣痛開始日:9/12
分娩日時:9/12 午前2時21分
分娩所要時間:8時間25分
体重:2880g
身長:47.3cm
性別:女の子


9/12(土)晴天。

朝から突き抜けるような青空と
真っ青な海のコントラストが綺麗だった。

髪の毛がぼさぼさで出産前にどうしても切りたくて
母にお願いして美容室へ連れていってもらう。

朝10時予約で
「もう少しゆっくりが良かった~
13時くらいにしてほしかったな。」
とぶつくさ言っていた。
でも朝予約にして大正解だったことが後にわかる。

カットが終わり、あまりにもいい天気だったので
母と散歩がてら写真でも撮ろうと海へ。
海も空も青くて本当に綺麗だった。










観光客並みに写真を撮りまくり
「一眼持ってくれば良かった!」
「じゃあ一回帰ってカメラもってまた来よう」
そんな会話をして一旦帰宅。

家に着くと、ウトウトし始めて
お昼寝してから行こうかということに。
この頃、夜中に4~5回はトイレに起きるので
常に眠気に襲われていた。

この日は特におなかが苦しくて
4時か5時までよく眠れなかった。

お昼寝してると13時半頃に
生理痛のような痛みで目が覚める。
しかし眠気が勝って再び夢の中へ。

すると14時半頃また腹痛で目が覚める。
あんなに海に行く気満々だったのに気のりせず

私「お母さん、なんかお腹痛いから海やっぱいいや」
母『そうなの?』
私「もしかしたらもしかするかもしらん」
母『あいや、陣痛かね』

この時私は東京に住んでいましたが
里帰り出産で実家に帰っていました。

実家とはいえ両親は仕事で平日いない状態
なのでいつも
「誰かおうちにいる時に出ておいでよ~!」
とお腹に話しかけていました。

「今日はおばあちゃん
仕事休みでおうちにいるからね、
病院連れてってくれる人いるから
もう出てきてもいいよ~!」

なんて話してると定期的に痛みがやってくる。
初めてのことだから
これが陣痛なのかなんなのかわからない!
あまり痛くない気もするし痛い気もするし。

ととりあえず陣痛アプリを起動して
間隔を計ってみることに。


えっ、4分間隔なんですけど…。


10分間隔になったら電話ください
って言われてるのにいきなり短すぎない?!
ってことはやっぱ違うのか…?
このとき16時くらい。

陣痛って
ものすごく痛いのを想像してたから
いまだ半信半疑の状態。

念のため入院グッズを確認したり
病院の電話番号を確認したりしてると
赤い血が混じったおりものがどろっと出てきた。

んーーおしるし?やっぱ陣痛なのかな。

よくわからないけど陣痛だった時のために
おにぎりを食べてシャワーを浴びた。

すぐにでも病院に行きたかったけど
帰されるのも嫌なので様子をみる。
18時半になっても4分間隔だし
痛みも強くなってきた。

2時間以上も定期的に痛みがくるんだから
きっとこれは陣痛だ!
と満を待して病院へ電話した。
そしたら入院の荷物を持って来てくださいとのこと。

いよいよかー、

いよいよこの大きなお腹とも胎動ともお別れなんだ、
次家に帰ってくるときはもう出てきてるんだ、
と不思議な感覚に。

お腹痛いくせにまだ若干の余裕があるから
大きいお腹での最後の記念撮影をして
病院へ向かった。

そうだ、東京にいる旦那に知らせなきゃと電話した。

19時半頃病院について内診してもらうと
子宮口が4~5cm開いてたのでそのまま入院。

病院側で準備されていた
病院着と紙パンツに履き替え、
産後に点滴する子宮収縮剤用の針を
あらかじめ刺してもらった。

助「じゃあこの部屋でテレビでも見て
リラックスしててくださいね。」





痛みがひいてる間は喋れるし、
iPhoneをいじる余裕もある。

そして
世界ふしぎ発見を見ていた時である。

バチンっ!!!

とすごい音がして自分の意志では
どうにもできない勢いで下から水が出てきた。
感覚的にはベッドのシーツが水浸しになるような量。

(実際にはお産用ナプキンをあててるので
ベッドには漏れてない)


もう破水!絶対破水!
疑いようのないくらいの破水!
これが破水じゃなきゃなんなんだ!

「おおおお母さんっ!破水した!ナースコール!」

破水の衝撃が想像以上に大きかったのと、
ギュインと突然痛みが増してややパニック状態。

助産師さんが来て破水したことを伝えると
「破水した?うん、いい感じだね。
 内診してみようか。さっきの部屋まで歩ける?」

慌てる私とはあまりにもギャップのある落ち着きっぷり。

(え、まだそんな落ち着いていられる状況なんだ。
ってか歩くの?!うへぇ。。)

苦悶の表情でベッドを降りて歩いたけど超痛い。
超絶痛い。

やっとこさ内診台に上がって見てもらって
グリグリされると強烈な痛みが。

「いだだだだ、ぬぁーーっ、…っ」

出産を終わってみて思い返してもこのときが
一番痛かったかもしれない。

助『うん、子宮口順調に開いてるね』
私「よかった…な、なn、なん㎝ですか?」

助『5~6cmかな?』

私「えlっつ?!まだそんなもんなんですか?
いいいだっぐっ」

助『すごいね、初産婦さんなのに
お産の進み早いよ~。』

私「そ、そうなんですか…
ってかう◯こ出そうな感じするんですけど」

助『ああ、赤ちゃん降りてきてるからね、
そのせいだね』

私「ううああぁあ…はぁはぁ、
これトイレ行ってもいいんですか?」

助『いいけど…赤ちゃんだと思うよ?』

このとき痛みで色んなことが
どうでもよくなった。
恥とか吹っ飛んだ。
そんなことに構ってる場合じゃねえ!

結局は助産師さんの言う通り
赤ちゃんだったのだけど。

まだまだかかると言われ、
これより痛くなるのか
と絶望しながら部屋に戻る。

母「どれくらいで産まれそうですか?」
助「そうですね、ここまで順調にきてるので
そのまま進めば早くて2時、
んーでも初産ですから4時くらいですかね?」

私「まじか」

リアルに助産師さんに向かってまじかって言った。

そんなにかかるの、、、
まあそうだよね。出産だもんね。
一人の人間を産み出すんだもんね。


…頑張ろう。


内診から部屋にもどってきて
旦那から着信があったことに気付いたけど
もう折り返す余裕ないし、喋れない。

母に電話してもらって
産まれる予想時間を伝え


母「変わろうか?」

私「(首を横にブンブン)」

母「あ、もしもし?
痛みが強くて電話に出れないみたい。」

母「そうそう、でも変わろうね」


変わるんかーーい!


心の中で突っ込みつつ電話に出る。
とはいえ喋れない。
電話なのに無言で頷く。

頑張ってね、ありがとね、
とかそんなことを言われたような気がする。


お産の進み具合を確認するために
NSTをつけるんだけどこれが結構キツかった。

「楽な体勢でいいよ」と言われても
すぐにずれてしまうから身動きが取れない。
ずれないようにずっと固まった状態で
痛みをやり過ごす。

そして痛みで吐く。
吐く時にお腹に力が入るから
すんごく痛かった。

それでも想定内というか
割と落ち着いていたと思う。


23時頃妹が来て母と交代でお尻の穴を
テニスボールで押さえてもらった。
けど、これ効果あったのかなんなのか
正直わからなかった。

もっと強く押して欲しいとか、
こっちの方向に押してとか伝えたいんだけど
うまく伝えられない。

感覚的にはお尻の穴を
そっと押さえられてる感じだったけど
あとから聞くと相当強い力で押してたらしい。


新月の影響があるのか、
出産を控えてる妊婦さんが数名いて
助産師さん達は忙しそうだった。

助「どうですか~?」
私「い、いたいです…」
助「痛いね~でも明日になったら痛み忘れてるよ^^!」
私「…ハハッ…」
助「座れる?座った方が進みが早くなるかも」

どうにかこうにか体を起こして座ってみる。
痛みは強くなるけどNSTがずれないように
変な体勢で固まってるよりはましだった。


「よし、いいね、頑張って~!」


それまでは無言でやり過ごせてたけど、
どんどん強くなってくる痛みに、
思わずうめき声がもれはじめる。

私「…はぁぁああああああ」
助「外間さん呼吸はフーーうん、フーーうん、ね!」
私「フーーうん、フーーうん、」

母「今の痛かったね」
妹「うん、痛かったね、頑張ったね」

なんでわかるの?と思ったら
陣痛がくるとモニターの波が高くなるらしい。
MAXのとこまで針が行ってた。

ものすごく痛いんだ!

ってことを理解してもらえるのは
なんだか嬉しかった。

このとき、すごく痛いんだけど
ネットで出産レポを読み漁ったり、
お産の流れを何度も確認してたおかげで
頭の中は冷静でいられた。

自分が苦しいときは
赤ちゃんも頑張ってるんだから
酸素を送ってあげなきゃ、
と痛みで息を止めそうになるけど
頑張って呼吸をする。

痛みでまた吐き気がしてきたので
吐いてもいいようにタライを
口のところにもってきてもらった。

(あれ?呼吸が楽になった)

知らないうちに過呼吸気味になってて、
口元をふさいでてもらうことで
楽になったんだと思う。

1~3分間隔で来る痛みの波、
これをあと何回やり過ごせばいいんだろう…

すごく長く感じるんだけど
すごくあっという間に
時が流れていくような、
そんな不思議な感覚だった。

陣痛はものすごく痛いんだけど、
覚悟をしていたせいか、
想像を絶する、というほどではなかった。

20代前半の頃、生理痛で
限界を超えてくる痛みに襲われることが度々あった。

「痛いもう無理」って思うんだけど
さらにその上を行く痛みがやってきて
本当に気絶寸前、トイレでよく悶えてた。

MAXの陣痛はその時の痛みよりはややましというか
限界に触れてはいるんだけど
それを飛び越えていく感じはなかった。

おそらくアドレナリンが出まくっているのと、
痛くて当たり前という気持ちが強かったんだと思う。

とはいえ1~2分間隔で押し寄せてくる
強烈な痛みに耐えてるもんだから疲れが出てきた。

「10分でいいから休みたい」

思わず母と妹にそんなことを訴える。

私「はぁはぁ…ぁぁあああ」
妹「フーーうん、だよフーーうん」
私「ぅう、うん、ふうmうん」

私母妹3人で「フーーうん」を繰り返す

どうにか息を吐こうと頑張るけど
なかなか上手に息が吐けない。
若干手がしびれてきて
過呼吸になってるのがわかるけど
どうしようもない。


12時頃助産師さんがまた子宮口を確認しに来た。
「4時くらいだからまだまだなんだよね…」
と内診してもらうと

「あ、結構開いてるね!9cmくらい!」

やっぱり?!
そうだよね?!
超痛いもん!!!
やったーー!!!

思わず歓喜する私。

座ってたのが良かったらしく
予想よりもお産が進んでいた。

「ちょっといきんでみましょうか」
「じゃあ外間さん、
次痛みが来たらここに向かって力入れてみて」

助産師さんが示してくれているところ
に向けて力をこめる

「うん!そうそうそう!いきむの上手!!」

「赤ちゃんも降りてくるね。
髪の毛触れたよ!
よし、じゃあ準備しましょう。」

「外間さん歩けそう?」

全力で首を横に振る。

「じゃあそのままここで産みましょう!」
「すぐに分娩ってわけではないけど準備しますね。」


ベッドが分娩仕様に組み立てられ、
手術室にあるようなライトが運ばれてくる。

「外間さん、バースレビューに
横向きやうつ伏せも試したいってあるけど
 どうする?もうこのままでいいかな?」
「(無言でうなずきまくる)」

もうそんなのどうでもいい。
この時頭にあるのはとにかく動きたくない、
早く産ませてくれ、その思いのみ。


部屋の準備をしてる間にも
陣痛の波は止まらない。
いや止まったら困るんだけど。

私「ふーーーーうっん、んんんんうう…」
助「はい、いきみすぎない、フーうんだよ」

いきんでるというよりは
痛みでうなってる感じだった。

よくいきみたいのを我慢するのが大変だった
と聞くけど、私は全くいきみたさがなかった。

叫ぶことも暴れることもなく
とにかく全身に力が入って固まる。
痛みが来てない間も力を抜くことができない。

「外間さん、今痛み来てないからね、
力抜いて休んでね。」
「つかんでる手すり離してみよう。
はい、手をパーにするよ。」

そうやってるうちに部屋の準備ができた。

助「外間さん、立ち合いどうする?
お母さんと妹さん入ってもらう?」
私「…どっ、ちでも…いいですまかせms」

消え入るような声で答える。
もう考える余裕なんてなかった。

この時は母は怖いから
と妹だけ立ち会う予定だったんだけど、
いつのまにかお産が始まっていて、
流れで母も立ち会っていた。

助産師さんが股の所を
マッサージしながら広げて
「ここだよ」と力を入れる場所を
示してくれる。

これが本当にありがたくて、
正直この手助けがなかったら
しっかりいきめなかったと思う。


(声は出さない)
(目は開ける)
(声は出さない)
(目は開ける)

(一緒に頑張ろうね早く出ておいで)

そんなことを頭に思い浮かべながら
痛みがくるたびにいきむ。
自分にこんな力があったのかと驚く。

「上手上手!そうそうそう!
赤ちゃんおりてきてるからね」

「いきむの上手だよ、
もう頭出てきてるからね!」

「頑張れ!頑張れー!」

助産師さんやいつの間にか登場してた
担当のお医者さんが励ましてくれる。


この声援がほんっとーーーに心強かった!!!


力の入れ方はこれでいいんだと安心していきめる。

出産前は怖くて仕方なかった会陰切開も、
この時はまだ切らないのか早く切ってくれという気持ち。

「この辺が少し硬いみたいです」
そう助産師さんがお医者さんに伝える。


やっと切ってもらえる、これで出てくる!


次の痛みがきていきみ始めると
先生がハサミを持って動いたと同時に
バチンと音がした。

(すごい股を切られてるはずなのに全然痛くない)

自分の中ですごい音がしたのに
まったく痛みを感じなかった。
音がしなかったら切ったことも
気付かなかったくらいだったと思う。

渾身の力を振り絞っていきみ続けてるが、
だんだんと体力が削られていく。

やばい、まだ出てこないのか
そろそろ力が入らなくなってきた…

思わず目を閉じてしまう。


先生「目閉じない、開ける!そう!」



くわっ!!!



妹いわく漫画みたいに目を見開いた、
その瞬間

「はい、頭出た!出たよ!!!」
「もういきまなくていいよ、力抜いて!!!」

え?出たの?


慌ただしくなる病室で「はぁはぁ」と脱力していたら


「はーーい産まれたよー!
おめでとうございます!」








「…オンギャーオンギャー」





「泣いた(号泣)」


赤ちゃんて本当にオンギャーって泣くんだね。
産まれた喜びなのか
やっと終わったという安心感なのか
涙があふれてくる。

「おめでとうございます。
女の子ですよ^^」

と産まれたての我が子が
目の前に連れてこられる。

言葉が出てこない。
無言で赤ちゃんをなでる。

少しだけ頭をなでると
赤ちゃんは処置のため
すぐに連れていかれた。



産まれた。
ほんとに出てきた。

よくドラマや漫画で描かれる
感動的な気持ちになるのかな
と思ってたけど実際はそんなことなく

「ようなく終わったか…」

という気持ちだった。

初めて見た顔は
私にも旦那にも似てなくて
去年亡くなったばあちゃんに似ていた。




と、出産はこんな感じで終わり、
ようやく痛みから解放されると思ったんだけど
そんなことはなかったのである。

後産や切開したところの処置、後
陣痛、なぞの全身のしびれ、
身体を起こせないほどの貧血、

産み終わったはずなのに
様々な痛みと症状に襲われた。

ほんとこれがきつくて辛かった…。
産まれたらスッキリすると思い込んでたから
余計に印象に残ってるんだと思う。


とまあそのことは置いといて


2015年9月13日
午前2時21分。
娘がこの世に誕生した。
私は母というものになった。









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